合意された手続(派遣会社向け)

「合意された手続」を受けることになったら・・・

『貴社の直前期の決算書では財務要件をクリアしておりませんので、労働者派遣事業の許可更新ができません。』
『許可更新要件をクリアしたうえで月次決算を行い、公認会計士の【合意された手続】を受けた上で、【合意された手続実施結果報告書】を添付して再度申請し直して下さい。』

労働者派遣事業の許可更新のために労働局に行ったらいきなりこのようなことを言われ、わけもわからずネットを検索した結果、このページヘ辿り着かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

◇ 合意された手続って何だろう?
◇ 合意された手続実施結果報告書を手に入れるにはどうすればいいの?
◇ それにかかる時間とコストは?

多くの方にとって初めての出来事で、わからないことだらけと思われます。

しかも顧問税理士に相談してみると、
「合意された手続」は公認会計士にしかできない仕事なので
税理士の私には実施できません。」
と言われてしまい、困り果ててしまわれたのではないでしょうか。

しかし、ご安心ください。

公認会計士の私が「合意された手続」をできるだけ詳しく、そして易しく説明させて頂いたうえで、貴社が確実に許可更新を行えるようにサポートさせて頂きます。

ここから先をお読み頂くだけで、漠然とした不安はすぐに解消され、今やるべきことがはっきり見えてくることと思います。

「合意された手続」とは?

さて、まずは「合意された手続」というものが何なのかを簡単にご説明させて頂きたいと思います。

「合意された手続」はあまり聞き慣れない言葉だと思いますが、簡単に言うと、貴社の決算書の数字が正しいことを公認会計士がチェックするという手続です。

チェックというと何やら税務調査のような強制捜査のようなものを連想されるかもしれませんが、「合意された手続」は全く別物です。

「合意された手続」は、貴社の会計帳簿(総勘定元帳)から一部の取引だけを双方合意の上で抽出し(通常は十数件~数十件程度)、それらが元資料(請求書、領収書など)と合っていることを公認会計士が確認するという簡易的なチェック手続になります。

例えば、貴社の会計帳簿に「3月31日 売掛金計上 50万円」と記載されていたら、これを売掛金の元資料(例えば、請求書控え)と照合し、日付や金額が一致していればOK、ということになります。

「合意された手続」は公認会計士(または監査法人、つまり公認会計士が集まった法人。)しか実施することができませんので、残念ながら貴社の顧問税理士の先生には依頼することができません。

また、貴社の顧問税理士が公認会計士資格を持っていたとしても独立性の観点から依頼することができません。

そんな困り者の「合意された手続」ですが、「合意された手続実施結果報告書」を入手するまでの流れは非常にシンプルで、要約すると次のようになります。

<合意された手続の流れ>

(1) 事業年度の途中の月で決算を実施し、月次決算書等の会計書類を作成する。
(2) 公認会計士に依頼し、合意された手続を受ける。
(3)「合意された手続実施結果報告書」を受け取る。

所要日数としては、(1)については貴社の状況(頑張り度合い)によりますが、(2)については最短で1日で完了する場合もあります。

合意された手続のタイムスケジュール

具体的なイメージを持って頂くために、弊事務所にご依頼頂いた場合の全体の業務の流れをお教えしたいと思います。

弊事務所以外の公認会計士に依頼する場合でも全体の流れはあまり変わりませんので、まずは下記を参考に、今すぐできることから進めてみて頂ければと思います。

1 提出期限の確認

まずは、最終締切の確認をしましょう。
管轄の労働局にお問い合わせ頂き、許可更新書類の提出期限日をご確認下さい。
通常は、労働者派遣事業免許の更新日の約3ヶ月前になります。

以下の全てのスケジュールは、この提出期限日から逆算して計画することになります。

2 月次決算月の選定

貴社の月次決算を行う月を決定します。

決算月として選定するのはどの月でも構いませんが、当然ながら次の2点を満たす月を選択して頂く必要があります。

月次決算後の決算数値が許可更新要件を全てクリアしていること。
労働局への書類提出期限に間に合うこと。

例えば、貴社が3月31日決算の会社で許可更新書類の提出期限が平成28年7月31日の場合でしたら、平成28年4月1日から平成28年7月30日のいずれかの日が月次決算日の候補日となります。(決算日は月末でなくてもOKです。)

ただし、月次決算を行い合意された手続を受けるには通常2~4週間程度は必要となりますので、時間的な余裕を考慮すると平成28年6月30日頃までの日付を選ぶのが得策でしょう。

もし更新書類の提出期限までに許可要件をクリアできる月がないようでしたら、事前に増資や新規借入れ等の対策を講じる必要がありますので十分ご注意下さい。

【許可更新時にクリアすべき許可要件】

  労働者派遣事業 職業紹介事業
①基準資産要件 基準資産額(注1)が「2,000万円×事業所数」以上(注2)(注3) 基準資産額(注1)が「500万円(更新時は350万円)×事業所数」以上
②負債比率要件 基準資産額(注1)が負債の総額の7分の1以上 -(要件なし)
③現金預金要件 事業資金として自己名義の現金預金額が「1,500万円×事業所数」以上(注2)(注3) 事業資金として自己名義の現金預金額が「150万円+(事業所数-1)×60万円」以上


(注1)基準資産額とは、資産(繰延資産及びのれんを除く)の総額から負債の総額を控除した額をいいます。
(注2)一つの事業所のみを有し常時雇用している派遣労働者が10人以下である中小企業事業主は、当分の間、①基準資産要件は「1,000万円以上」、③現金預金要件は「800万円以上」。
(注3)一つの事業所のみを有し常時雇用している派遣労働者が5人以下である中小企業事業主は、平成27年労働者派遣法施行日以後3年間、①基準資産要件は「500万円以上」、③現金預金要件は「400万円以上」。

3 必要書類のお取り寄せ

税務署等からお取り寄せが必要となる書類については、予想外の日数がかかるかもしれませんので、予め早いタイミングで手続をしておきましょう。「納税証明書」(税務署等)や「銀行残高証明書」(金融機関)がそれに当たります。

これらは労働局への提出書類の添付資料としても必要となりますので、省略や代替はできません。

【お取り寄せが必要となる書類】(必須)

お取り寄せ先 書類名 部数 備考
◇ 直前事業年度に関する書類
【税務署】 納税証明書
(税目:「法人税」「消費税及び地方消費税」)
1部 納付書控等は不可です。
請求手続はこちら⇒納税証明書の交付請求手続(国税庁)
【都税/県税事務所】 納税証明書
(税目:「法人事業税」「法人都道府県民税」)
1部 納付書控等は不可です。
【市町村/市税事務所】 納税証明書
(税目:「法人市町村民税」)
1部 納付書控等は不可です。
◇ 月次決算を行った会計期間に関する書類
【各金融機関】 銀行残高証明書
※月次決算書に「現金及び預金」として計上された全ての預貯金口座分
各銀行支店毎に1部ずつ 通帳コピーやインターネットバンキングから出力した口座明細等は不可です。

4 月次決算の実施

上記「2 月次決算月の選定」において決定した日付において、月次決算を実施します。

月次決算のレベルは、通常の事業年度末の決算と同じレベルの決算手続が必要です。つまり、売掛金、未払金、未払法人税等、減価償却費なども本決算と同じように正しく計上して頂く必要があります。

預金勘定の各残高については、金融機関から取り寄せた「銀行残高証明書」と必ず全口座一致させる必要があります。(未取付小切手や時間外預金により不一致が生じた場合には「銀行残高調整表」を作成して下さい。)

顧問税理士に経理や決算をご依頼されているお客様は、必ず顧問税理士にご相談下さい。

月次決算が完了したら、月次決算後の貸借対照表数値が許可要件をクリアしていることを必ずチェックして下さい。

もし許可要件をクリアしていなかった場合、たとえ公認会計士の合意された手続を受けたとしても労働局に受理されませんので、クリアできる別の月(日付)で改めて決算を行う必要があります。

たとえ許可要件をクリアしている場合であっても、誤った会計処理を行っている場合には、その誤りが公認会計士により修正されることにより、結果的に許可要件を満たさなくなってしまうケースもありますのでご注意下さい。

無事に許可要件をクリアしていることが確認されたら、次の書類をご作成下さい。

【ご作成頂く月次決算書類】

書類名 内 容
月次決算書 「貸借対照表」及び「損益計算書」。
※1「株主資本等変動計算書」及び「個別注記表」等は不要です。
※2 月次決算書の表紙タイトルは、1年決算会社のちょうど6ヶ月目である場合は「中間決算書」とし、それ以外の場合は「月次決算書」として下さい。
総勘定元帳 月次決算を行った会計期間の期首から月次決算日までの分。

5 書類が揃っていることの確認

合意された手続を受けるにあたって貴社で予めご準備頂く書類のリストは次のとおりです。全ての書類が揃っていることをチェックして下さい。
もしお手元にないものがありましたら、早急にご作成又はご入手下さい。

【必要書類チェックリスト】

書類名 内 容
◇ 直前事業年度に関する書類
決算書 貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書
確定申告書 法人税(地方法人税を含む)の確定申告書及びその添付書類
消費税及び地方消費税の確定申告書
法人事業税及び法人都道府県民税の確定申告書
法人市町村民税の確定申告書
納税証明書 法人税の納税証明書
消費税及び地方消費税の納税証明書
法人都道府県民税・法人事業税及び地方法人特別税の納税証明書
法人市町村民税の納税証明書
◇ 月次決算を行った会計期間に関する書類
月次決算書 貸借対照表、損益計算書。
※1「株主資本等変動計算書」及び「個別注記表」等は不要です。
※2 月次決算書の表紙タイトルは、1年決算会社のちょうど6ヶ月目である場合は「中間決算書」とし、それ以外の場合は「月次決算書」として下さい。
総勘定元帳 期首から月次決算日までの分。当期中に変動がなくても期首又は期末に残高のある科目については全て出力して下さい。
銀行残高証明書 月次決算書に「現金及び預金」として計上された全ての預貯金口座分。
手許現金有高表(金種別) 月次決算書に計上された全ての現金(小口現金を含む)の実際有高を金種別に数え記録したもの。
その他 ・ 預貯金口座の通帳(または入出金明細)
・ 売掛金の「請求書控え」
・「給与台帳」
・ 社会保険料の「領収済通知書」
・「固定資産(償却)台帳」
・ 未払金又は未払費用として計上された取引の「請求書」
・ 借入金の「契約書」及び「返済予定表」
・ その他重要な会計取引に関する証憑書類

6 弊事務所へのご依頼

弊事務所へ「合意された手続」をご依頼頂きます。
ご依頼後、契約書の取り交わしを行い、弊事務所が発行する御請求書に基づき料金をお支払い頂きます。なお、弊事務所では全額前払いでお支払い頂いております。

それと平行して、合意された手続に必要な書類の事前確認をメール等で実施させて頂きます。

7 合意された手続の実施

必要書類が全て揃った時点で、公認会計士により「合意された手続」を実施させて頂きます。

合意された手続中に貴社に特に実施して頂くことは基本的にはありませんが、経理のご担当者様には不明点のお問い合わせをさせて頂く場合がございます。

なお、公認会計士によって実施される合意された手続の具体的内容は次のとおりになりますのでご参考下さい。

<合意された手続の具体的内容>


(1) 月次決算書及び年度決算書に計上されている残高を会社の総勘定元帳の勘定残高と集計突合する。合致しない場合には、差異の金額を手続の実施結果の記述において明示する。

(2) 年度決算書に計上された税引前当期利益の金額を、当該事業年度における法人税の納税申告書別表四の写しと突合する。さらに、年度決算書に計上された法人税等の金額を当該事業年度における納税証明書と突合する。合致しない場合には、差異の金額を手続の実施結果の記述において明示する。

(3) 上記(1)の手続実施の結果、月次決算書に計上された「現金及び預金」について合致した場合には、会社の当該総勘定元帳の残高を会社入手の自己名義の銀行残高証明書及び会社作成の手許現金有高表(金種別)と突合する。合致しない場合には、差異の金額を手続の実施結果の記述において明示する。

(4) 上記(3)の手続実施の結果、月次決算書に計上された「現金及び預金」について合致しない場合には、会社から差異金額の説明及び関連証憑の提示を受け、関連証憑に記載された内容を照合し、金額を突合する。

(5) 上記(1)の手続実施の結果、月次決算書に計上された重要な科目(※公認会計士の判断により抽出)のうち合致した勘定残高について、総勘定元帳から、年度決算書日後、月次決算書日までに生じた残高の増減の記録から会社と合意した取引(※公認会計士の判断により抽出)を抽出し、会社から提示を受けた関連証憑との突合を行い、日付及び金額の一致を確かめる。

8 報告書のご提出

合意された手続が無事に完了しましたら「合意された手続実施結果報告書」を作成し、押印・製本の上、お渡しさせて頂きます。
他の許可更新書類とともに、期限日までに労働局へご提出下さい。

これにて「合意された手続」の一連の業務は完了です。

弊事務所の料金について

弊事務所では、他の事務所よりも比較的リーズナブルな価格で「合意された手続」をご提供させて頂いております。
2つのプランをご用意させて頂きましたので、お好みや貴社の状況によりいずれか1つをお選び下さい。

【合意された手続 料金表】

  【A】標準プラン 【B】ご訪問プラン
対応可能地域 日本全国 愛知県名古屋市をはじめとする尾張地方全域
プラン内容 合意された手続を「弊事務所にて」実施させて頂くリーズナブルなおすすめプランです。
貴社へのご訪問や面談等はなく、必要書類は全て郵送又はメール(PDF形式のデータファイル等)でお送り頂きます。また、連絡手段はメールのみに限定させて頂きます。
合意された手続を「貴社にご訪問して」実施させて頂くプランです。
合意された手続を「貴社にご訪問して」実施させて頂くプランです。
ご不明点やご相談事項についてはメールだけでなく、お電話やご訪問時のご面談によるお問い合わせが可能です。
対象となるお客様 ・ご訪問がどうしても必要という方以外の一般的な方 ・実際にお会いしてしっかりとしたサポートを受けられたい方。
・許可更新書類の提出日までの残り日数がわずかしか無いため郵送対応では間に合わない方。
基本料金 98,000円(税抜) 198,000円(税抜)
追加料金 ■特急料金
「合意された手続実施結果報告書」のお渡し希望日までの残り日数がお申込み時点において1ヶ月に満たない場合
⇒5万円(税抜)
■複数事業所料金
許可更新対象事業所が複数存在する場合
⇒1事業所毎に5万円(税抜)

弊事務所へのご依頼方法

合意された手続を弊事務所へお申し込みされる方は、下記リンク先のメールフォームに必要事項をご入力のうえ、ご送信下さい。

※弊事務所では「合意された手続」に関するご依頼は、全てメールフォームより受付させて頂いております。お電話でのご依頼は受け付けておりませんので予めご了承下さい。

合意された手続ご依頼フォームはこちら

参考資料(外部リンク)

厚生労働省 労働者派遣事業・職業紹介事業
監査・保証実務委員会研究報告第24号「一般労働者派遣事業等の許可審査に係る中間又は月次決算書に対して公認会計士等が行う監査及び合意された手続業務に関する研究報告」(日本公認会計士協会 平成24年1月20日)
労働者派遣法の改正に伴う監査・保証実務委員会研究報告第24号の読替えについて(お知らせ)(日本公認会計士協会 平成27年10月1日)

日本公認会計士協会

所長プロフィール

森藤利明

 森藤 利明(もりふじ としあき)
 公認会計士(第21650号)
 税理士(第113669号)
 昭和50年8月17日生

<主な実績>
・㈱メディアドゥ(東証一部)
  社外監査役(現任)
・㈱犬山カンツリー倶楽部
  金商法監査監査人(現任)

<略歴>
 名古屋大学経済学部卒業
 中央青山監査法人勤務
 あずさ監査法人勤務
 森藤公認会計士事務所設立

 詳細プロフィールはこちら

アクセス地図

〒460-0003
名古屋市中区錦3-11-25
アーク栄錦ニュービジネスビル
森藤公認会計士事務所

森藤公認会計士事務所

対応エリア

【基本対応エリア】
名古屋市全域
(名古屋市中区、名古屋市中村区、名古屋市東区、名古屋市西区、名古屋市千種区、名古屋市北区、名古屋市昭和区、名古屋市瑞穂区、名古屋市名東区、名古屋市南区、名古屋市中川区、名古屋市熱田区、名古屋市天白区、名古屋市緑区、名古屋市守山区、名古屋市港区)

愛知県全域

【近隣対応エリア】
三重県、岐阜県、静岡県

【広域対応エリア】
東京都、神奈川県、静岡県
大阪府、京都府、滋賀県

【特別対応エリア】
案件によっては上記以外の日本全国から海外まで対応させて頂きます。

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